元塾講師が実際に聞かれて答えた中学生の生徒が勉強する理由とは
中学生生徒(以下生徒):せんせー?
元塾講師(以下講師):ん?
生徒:なんでおれらって勉強せなあかんの?
講師:えーとな・・・
きっかけはあるやり取りから
先生って頭良いよな
生徒:先生めっちゃ頭良いよなー、なんでそんな勉強教えられんの?
講師:そら、先生は大人やし、勉強してきたからやろー
生徒:先生は中学の時から賢かったん?
講師:いやー?まあ英語の成績は良かったぐらいちゃうかな。
生徒:ふーん。
先生は担当教科以外も教えられる?
生徒:先生は英語(担当教科)以外も教えられるん?
講師:んー、どやろ。先生は英語以外は苦手やからな。でも頑張ったらできるんじゃない?
生徒:そっか。
じゃあ数学とかおれら(生徒)が勉強する意味あるん?
数学を勉強する意味
生徒:せんせー、じゃあおれらが数学とか勉強する意味ってあんの?先生は英語、得意やから先生になってるんやろけど、数学は苦手なんやろ?でも先生として働けるんやんか。ってことは得意なことできたら働けるんやろ?
講師:そやなー。けど先生かて、ずっと勉強してきたんやし、それは自分ら(生徒)もせなあかんのちゃう?それに中学の次は高校、ほんで大学行くためには数学もできなあかんやんか。
生徒:えーおれ高校はいいけど、大学とかは行きたくないかなー。ってかもう早く働きたい。
ってか勉強する意味ってなんなん?大学行くためってこと?
中学生が勉強をする意味
講師:そやなー。ぶっちゃけるとそう。いま自分らはたくさん勉強して、テストでいい成績を取って、それで大学に行くために勉強しなあかん。
生徒:じゃあ大学行きたくない人は勉強せんでもいいってことやん。ちゃうの?
講師:うーん、まあそやな。おれは「ほんまにしたいことがあって、それが自分で分かってるんなら、大学に行かなくてもいい」と思ってるよ。けど、自分が「したいことがわからへん」のやったら、とりあえず勉強して大学に行った方がいい。その方が絶対良いと思う。
生徒:なんでー?
講師:大学を出てた方が仕事をしやすいから。生きていくためには仕事をせなあかんやろ?それでお金を稼がなあかんやん。その時に大学を出てたらすごい便利。新卒とか就活ってわかるやろ?
生徒:そやなー。でも高校いかんと働いてる人だっているやんか。
講師:そういう人達は、それぞれ事情があると思うよ?高校とか大学に行くお金がないとか、普通に勉強がしたくなかったとか。でも自分(生徒)は違うやん。今は選べるやろ?お金はお父さんお母さんが出してくれるし、勉強してれば大学に行くか働くかを選べるし。それで「ほんまにしたいことが見つかった」時にどっちを選ぶかは自分で決めたら良いと思うよ。けど見つからへんうちはたくさん勉強してた方が良い。数学だって、将来もしかしたら使うかもしれへんやん。
生徒:うーん。そやなー。
終わりに
これはぼくが二十歳ぐらいの時に、実際にあった体験談です。
これが正解かどうかはわかりません。でも生徒に嘘ついたり、詭弁で話しても意味は無いだろうなと思い、僕の本心を伝えたつもりです(やや記憶が曖昧な部分はありますが)。
この子は高校には進学しました。
ただ今後、どんな人生を歩んでいくのかはわかりません。
塾講師という仕事は、思っていたよりずっと「生徒の人生」を預かっている感覚が強いと感じました。
もしかしたらぼくが気負いすぎなのかもしれませんが、こういう感覚を、学校の先生には持ってもらいたいなと思っています。
元塾講師、身軽にブロガーのやっちゃん (@movablevie1)でした。