等身大ジャーナリズム

26歳、京都出身、滋賀在住です。

バイトで月収10万円稼ぐ日本人が気付かない”年収”10万円の世界のこと

 

こんにちわ、やっちです。

さっそくですがみなさんはバイトをしたことがありますか?

 

ぼくはあります。

昼間は便利屋(エアコンクリーニングや植木伐採などの仕事)、夜は塾講師をして、一ヶ月で10万円ほど稼いでいたことがあります。

 

この「10万円」というお金。

セネガルではいくらになるかわかりますか?

セネガルではどれだけのものが買えるかわかりますか?

 

簡単に伝えると、

家事をしてくれるメイドさん付きの物件を借りて、

毎日レストランで外食をして、

移動はすべてタクシー。

こんな生活を送ることができます。

 

今日はそんなお話をしたいと思います。

 

 

 

 

 

日本人で、日本語が喋れて、日本に住んでいるなら10万円稼ぐのは難しいことではない

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日本人で、日本語が喋れて、日本に住んでいるなら10万円稼ぐのは難しくありません

それはアルバイトをしたことがある人ならわかるはずです。

実際、なんの取り柄も無く、1週間に2日間は大学に通っていたぼくですら、その金額を超える稼ぎを出していました。

 

1週間に5日、1日8時間働くことができる人なら会社に勤めることだってできるでしょう。

そうすれば1ヶ月で20万円を稼ぐことだって可能なはずです。

 

10万円や20万円。

これらの金額は、日本では少ない「月収だ」という人も多いでしょう。

しかし、世界には平均的な「年収だ」という人もいるんです。

 

セネガルは年収10万円の国

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ぼくがいま滞在している国「セネガル」は年収が10万円の国です。

ぼくたち日本人は、セネガルの人たちが1年かかって稼ぐお金を1ヶ月で、しかもアルバイトで稼ぐことができます。

 

そして日本の賃金のことについて、近所のブティック(日本のコンビニみたいな)の店員とこんな話をしました。

 

店員(以下店):「なあなあ、もしおれが日本に行ったらどれくらいお金を稼げるんだ?」

ぼく(以下ぼ):「ん〜、タイル(店員の名前)は日本語が話せないからアルバイトになるだろうね。しかも掃除のアルバイトとかになると思うよ?」

店:「掃除? 掃除なら良いじゃないか、それでいくら稼げるんだ?」

ぼ:「そうだね・・・、1週間5回、1日8時間働いて、1ヶ月で10万円(50万CFA=セネガルの通貨)くらいかな」

 

店:「マジかよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!日本に行く飛行機はいくらくらいするんだ?」

ぼ:「それも10万円くらいかな」

店:「10万円(50万CFA)か・・・、日本に行きたいな、日本で働きたいわ。」

 

この話は何度も聞かれました。

合計で3回ほど、話をしました。

それほどの驚きだったんでしょう。

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ブティックに勤めている彼(タイル)は決して仕事をサボっているわけではありません。

ブティックは日本のコンビニのように朝から夜中まで開いていて、ほぼ年中無休です。

交代制で仕事をしており、タイルが寝ている時は違う人が店番をしています。

取り扱う商品も「フランスパン」「コーヒー」「ボールペン」「お菓子」「飲み物」「タバコ」「simカードのクレジット」など多岐にわたります。

それぞれ

「フランスパン(30円=150CFA)」

「コーヒー(10円=50CFA)」

「ボールペン(20円=100CFA)」

「お菓子(10円=50CFA)」

「飲み物(70円〜160円=350CFA〜800CFA)」

「タバコ(100円=500CFA)」

といった感じです。

 

 

また近所にとても頻繁に利用する現地レストランがあります。

そこではセネガル料理をお腹いっぱいに食べることができます

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メニューは「チェブジェン」「ヤッサ」「クスクス」、ほかにも「ピザ」や「スパゲティ」など。

それぞれ

「チェブジェン、ヤッサ、クスクス(200円=1000CFA)」

「スパゲティ(240円=1200CFA)」

「ピザ(600円=3000CFA)」

これらは味もおいしく、お腹いっぱいになり、さらには食後にティーが付きます。

 

 

そしてセネガル(首都ダカール)にはたくさんのタクシーが走っています。

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タクシーに乗る時には値段の交渉が必要です。

あくまで目安の値段を伝えておくと

15分ほどの距離(300円=1500CFA)

20分ほどの距離(400円=2000CFA)

30分ほどの距離(600円=3000CFA)

となります。

これは外国人価格なので現地の人はもっと安くタクシーに乗っています。

 

これが年収10万円の世界、そしてその世界の物価です。

 

ぼくらは日本と日本語に守られている 

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(現地語、英語、フランス語、日本語が堪能なセネガル人アーティスト)

 

ブティックで働いているタイルくんの話を思い出すと、

「タイルは日本語が話せないから・・・」とぼくは言いました。

 

ぼくはこの言葉をとても重く受け止めています。

ぼくらは日本語に守られている。

さらにいえば「日本」という国に守られているんだなとつくづく思いました。

 

世界第3位の国内総生産を誇り、1億の人口を抱え、安全資産と呼ばれる円を持つ国家。

その中で、海外ではほとんど話されない日本語を母語としている国民。

結果的に外からの影響を少なくして、内だけで成立させてきた世界がそこにはあるんです。

 

ぼくはこの記事を通して、

「日本人は甘えてる!」とか、

「日本人はダメだ!」などと、言うつもりはありません。

むしろこの記事を読んで、

「セネガルってめちゃめちゃ物価安いじゃ〜ん」

「貯金して移住したら億万長者じゃね?」って考える人がいても良いと思ってます。

(→そういう人は相談に乗ります)

 

ただ日本人が気付かない年収10万円の世界があるということは伝えておきたかった、

バイトで月収10万円稼げることがどれだけスゴいかを伝えておきたかったんです。

 

しかし、この「スゴさ」は永遠ではありません。

飛行機がどんどん安くなっているいま、アフリカの人がお金を貯めて日本にくることは可能になります。

インターネットが発達したいま、アフリカの人が独学で日本語を習得することは可能になります。

日本人だけに有利だった「日本国」と「日本語」のハンデがどんどん無くなっていきます。

そうなったときに起こるのは、外国人の追い出しではなく、ぬくぬくと守られていた日本国民の衰退です。

 

アフリカの彼らは言語だけを見ても数カ国後を操ります

現地語、英語、フランス語、スペイン語、さらにはイタリア、アラビックを操る人にも会いました。日本語を流暢に話すセネガル人もいました。

それぐらい必死になって生きています。

そうでないとお金を稼げないから。

 

もちろん言語に限りませんが、日本人もなにかに必死になる必要があるのではないでしょうか。

内に引きこもった世界は衰退していく一方だとぼくは思います。