23歳男子がメガネ屋の蓮佛美沙子似のカワイイ店員さんに声をかけた結果
おれがよく行くメガネ屋がある。
よく行くと言ってもまだ数回だが、それは置いておこう。
そのメガネ屋はチェーン店で、駅近くの繁華街にあり、アクセスが良いのだ。
接客の笑顔が絶えず、雰囲気もいい。
まあ無理して笑顔を作っている雰囲気もあるが、それは気にしないように努めている。
そんなメガネ屋には1人カワイイ子がいた。
似ている女優はいるかと尋ねられれば、蓮佛美沙子タイプかと思う。
ただ、その子はもっと甲高い声で「どうでしゅか?」「ありがとうございまっすぅっ」と言うタイプだ。(決してそう喋ったわけではない、あくまで『そんな感じ』だ)
で、おれは2回目の来店でその子に声をかけた。
今日はその話をしよう。
1回目の来店時に担当がその子だった
さて、声をかけたことを詳しくお伝えするためには、まずは話を1回目の来店にさかのぼらなければならない。
1回目の来店で、おれはメガネを買いに行った。
普段はコンタクトを使用しておりメガネはサポート的役割だったのだが、そのメガネを踏んづけてしまったのだ。
「まあ、直してもらうか」
と思い、繁華街のメガネ屋へ。
店頭には笑顔がまぶしい男性スタッフがいたので、その人に声を掛け、3階へと案内された。
そのメガネ屋は
1階は老眼鏡
2階はコンタクト
3階はメガネ
というフロア割りになっていた。
「こちらからお好きなフレームをお選びになっていてください。私は度数に合うレンズを探して参ります。」
スタッフが丁寧にそう言うので、おれは青いフレームを即決した。
その後、口をあけて待ちぼうけた。
すると、違う靴音が聞こえた。
階段をコツコツコツっっっと早足で歩いて下りてくる音だ。
蓮佛美沙子が現れた。
(あらカワイイこの人何歳やろう彼氏とかいはるんかなけっこうかわいいよなこの人が店頭にたったほうがいいんちゃうんかなでも分業制とかそういうのがあんのかなそれなら仕方ないな店頭は笑顔のまぶしい男性スタッフがやるべきやんなでも女性が店頭にいたほうが華やかなイメージが着くと思うねんけどなもしかしたらこの人すげえ性格悪くて「あたしゃ前には出ないよあんたらが出なっ」的なジブリで言うユバーバみたいな女海賊ドーラみたいな性格なのかな)
と思ったのもつかの間 、
蓮佛美沙子は唐突に「フレームお選びになりました?」と尋ねてきた。
笑顔のまぶしい男性スタッフから蓮佛美沙子に担当者が変わったのだ。
おれは困惑し、
(あおーこの人、性格も良い感じやわ誰がユバーバやねん誰がドーラやねんてかそもそもユバーバもドーラもメガネ屋では働かへんやろうなてか接客業に向いていないわユバーバなんかレストランで何名様でお待ちの・・・って言うところを小さい小学生に向かって『お前が3名様でお待ちのセンだねぇ?』とかいいそうやしドーラに関しては『もしもし?あっ予約のお電話?19時?19時は満席でねえ〜だからいま40秒で支度できるなら』とか言いそうやしってかフレームの返事しなあかん)
と思って「ああ、はい。こちらの青いものでお願いします」と答えた。
こうしておれはお会計に進むことになった。
蓮佛美沙子は電卓が苦手だった
メガネの代金は6000円ほど。
その場で支払いを済ませた。
メガネケースも無料でくれた。
「ありがとうございまし・・・」
そう言って帰ろうとした瞬間に蓮佛美沙子がこう言った。
「お客様はコンタクトレンズを使用されていますか?」
「その通りだが?」
とは言わなかったが、まあその通りだ。
なんでもメガネを購入した方で、コンタクトレンズも購入する場合は、コンタクトレンズ代金が割引になるらしい。
それはいいことを聞いた。
ちょうど、2weekタイプから1dayタイプに変えようとしていたのだ。
さっそくいくら割引になるのかを計算してもらった。
ただ、ここでトラブルが発生した。
割引制度がややこしいのだ。
コンタクト1箱の元値が○○円
メガネ購入者は○○%オフ。
○○円以上のメガネの場合は○○%オフ。
コンタクトを3箱以上購入する場合○○%オフ。
4箱以上だと○○%オフ+○○円のキャッシュバック
6箱だとさらに○○%・・・
というなんとも複雑怪奇な計算式を経て、ようやくいくら割引になるのかがわかる。
さらにその蓮佛美沙子は親切にも電卓を使って「一箱辺りの値段で比較しようとしてくれた」のだ。
そこにおれの要望が突き刺さった。
「4箱の場合だといくら、6箱の場合だといくら、8箱の場合だといくら、っていうのも教えてもらっていいですか?」
結果的に、蓮佛はてんてこ舞い。
おれも手伝い、スタッフ3人掛かりで答えが算出された。
蓮佛は、時には電卓のせいにしたりもした(電卓の調子が悪くて・・・etc)が、最後まで笑顔で対応してくれた。
結局、眼科の処方箋が無いと買えないという説明を受けたので、また後日に来店することになった。
眼科の処方箋を手に入れて蓮佛にコンタクトを頼みにいった
前回の来店から2週間ほどたっただろうか。
おれは眼科に行き、コンタクトの処方箋をもらった。
そして、繁華街のメガネ屋さんに足を運び、前回と同様に店頭のスタッフに声をかけようとした。
すると、驚いたことに店頭に蓮佛さんがいたのだっ!
(あらやっぱりカワイイてか前とすこし髪型が変わっているような気もするてか店頭にでえへんのはきっと性格が悪いからやろとかおもってごめんよあんたはいい子だよおれのこと覚えてるんかないやきっとおぼえてないだろうなそれは仕方ないしょせんおれは繁華街のイチ雑居やしこの店は客も多い覚えてもらってたとしたらそれは奇跡だろうからおれは期待しないなのでおれもあなたのことは知らぬ存ぜぬで尋ねてみようじゃないか)
なんて考えながら蓮佛さんに尋ねた。
「以前こちらでメガネを購入したら、コンタクトも安くなると聞いて来たんですけど」
すると蓮佛さんはこう言った。
「かしこまりました。では2階へご案内しますね。
・・・もしかして青いフレームのメガネを購入された方ですか?」
・
・
・
覚えられてた((ง°`ロ°)งよっしゃぁぁ‼)
勢いのあまり「いえす あいどぅー」と答えそうになったのはさておき、
「そうですそうです! 前回も担当していただいて・・・、電卓は上達しましたか?笑」
なんて話をした。
そう。
蓮佛さんの「電卓による複雑怪奇な算出方法にてんてこ舞い」事件の話だ。
「もちろんですよ!今日お見せしますね、名誉挽回しますっ」
心地よい返事を受け取った。
(もともと名誉が低いなんて思ってないででもその一生懸命さがいいんやろうな頑張れ頑張れ応援してるわてか計算式を複雑にしたんはおれやんなごめんごめん謝るわでもお金のことやしお店とお客やからそこはシビアに行くで今後ともよろしくやで)
なんて考えてたら、すぐにコンタクトのお会計になった。
取り寄せという形になったので、そのための書類を記入しながら世間話をすることになった。
23歳男子が二回目の来店でメガネ屋の女の子に声をかけた結果
ここで、おれはすでに決心をしていた。
(連絡先を聞こう。よかったらデートにお誘いしよう。なんて聞こう)
もにょもにょと考え事をしながら書類を記入していた。
ではここからは会話形式でお伝えしよう。
蓮佛さんみたいな店員(以下れん)、おれ(以下おれ)
れん「書類の記入をお願いします」
おれ「はーい・・・、どれくらいここで働いてはるんですか?」
れん「えーと、春で3年になりますね」
おれ「へえ〜(ってことは大卒なら25歳・・・?)正社員さんですか?」
れん「はい!ここはアルバイトはいないですね」
おれ「へえ〜、はい記入できましたっ」
れん「ありがとうございます。ではコンタクトレンズのお値段が一箱当たり○○円ですので・・・」
おれ「あっうまく計算できました?」
れん「もちろんですよっ! はいっ○○円になります」
おれ「それはよかったです。じゃあクレジットカードでお願いします。」
れん「はーいっ」
おれ「(ここだ!もうここしかチャンスは無い!聞くぞ、聞くぞー!!)
・・・彼氏さんとかいはるんですか?(聞いたでーっ)」
れん「・・・はいっ!」
おれ「(まじかー)━━━━(゚∀゚)━━━━」
れん「一緒に住んでますっ」
おれ「(追い討ちきたー)キター*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!」
・・・おれ「うわあマジっすか・・・っ。めちゃめちゃ良い感じじゃないですか・・・っわら」
こうしておれのメガネ屋の女の子に声を掛けた結果は、失敗に終わった。
連絡先は渡さず、それ以上何かを聞くこともなく、その場を終えた。
帰り際、初回来店時に対応してくれた笑顔がまぶしい男性スタッフさんにタックルされた(スタッフさんが後ろを見てなくてぶつかった)ことになにか意味はあるのだろうか。
感想「取り寄せたコンタクトをまた取りに行かなあかんのに・・・悲」
・・・はあ。
また取り寄せたコンタクトを取りに行かなきゃならないのに、どうしよう。
連絡先だけでも渡しておくべきなんかな。
それとももう諦めて普通に接するべきなんかな。
・・・はあ。
まあ、つぎや、また、
頑張ろう。