海外からの帰国者批判とマスメディアの報道について|コロナウイルス
コロナウイルスが全世界で話題になっています。
その中で、SNSでよく見かける批判について私見を述べたいと思います。
よく見かける批判とは
「海外渡航者はけしからん!こんな時期に何を考えてるんだ!」
というもの。
僕は、この批判はどんな意味があるんだろう?と感じます。
コロナウイルスを日本に持って帰ってくるな!という意味?
外出自粛要請が出てるから外に出るな!という意味?
人に移すかもしれないだろ!わきまえろ!という意味?
2つ目と3つ目の意味は僕は理解できます。
政府の言う通りで不要不急の外出は控えるべきだと思いますし、人が密集する航空機や観光施設に保菌者が行けば罹患する・させる可能性は高いと思います。
しかし、多くの方が、1つ目の「日本に持って帰ってくるな」的な意味で言っているように感じるのです。
そう感じる理由は、マスメディア(テレビ)が少し関係しています。
なぜマスメディアは「海外からの帰国者」を取り立てるのでしょうか?
政府の発表で
”帰国者の数が発表されているから”
というだけであれば政府も同罪なのですが、やたら「感染者は〇〇人、うち海外からの帰国者は〇〇人」と報道されていると思うんです。
ぶっちゃけ、もう、海外からの帰国者うんぬんは関係ないでしょう?
確かにウイルスの始まりは武漢(中国)ですし、爆発的に感染が拡大しているのはイタリアですから、こうしてみると日本から見た海外がワルモノ、「ヤバイ国」のように感じます。
しかし、日本より感染者が少ない国なんていくらでもあるんです。
その国から見たら、日本も「ヤバイな〜」でしょう。
それに、海外渡航歴のない人で、感染が確認されている人だっていくらでもいるんです。
例えば、感染拡大が始まった3月28日に東京で感染が確認されたのは63名ですが、海外渡航者は3名だけです。(経路不明者23人)
つまり海外に行っていることは数的に関係ないんです。
さらにヨーロッパから帰国した京都産業大学生に
「危機意識が低い」
「日本から追放しろ」
との非難の声が上がっていました。
これもヨーロッパから帰国したノーテンキそうな大学生たちだから批判しているわけですが、東京の残り60人(海外関係ないであろう人たち)はどうなのでしょうか?
さすがにその60人が満員電車に乗っていたのか、誰とも接触せずに過ごしていたのかはわかりませんが、同様に罹患していることは事実です。
東京の人たちにも同じことを言うのでしょうか?
そもそも海外からの帰国者に感染が確認される理由を僕なりに考察しているのですが、空港ではサーモグラフィ、問診などでチェックを行っています。
まとまった人数が搭乗している飛行機、降りた際のサーモグラフィで、1人でも熱があればその人を検査に回し、陽性反応があれば”濃厚接触者”として、その便の人たちみんなを検査対象に含め、感染者を発見することができますよね。
一方で、国内にいる人には
「自分で検温して熱があったり、症状が続いたりしたら検査を申し出る」形。
第三者目線のチェックがある帰国者と、自己判断させている国内居住者であれば、帰国者に感染者が出てくるのは必然ではないでしょうか。
その状況下で、帰国者にフォーカスすることの意味がわかりません。
もっと言えば空港のコロナ検疫の充実は、もう不要ではないかとも思います(通常の検疫は必要)。
検疫所の目的は「国内にないウィルス等の発見、拡大防止のため」のはずですが、すでに渡航歴がない人の多くから感染者が見つかっているので、国内の検査体制を充実させるべきではないでしょうか?
(自衛隊災害チームの派遣というニュースがあったと思います)
ぼくは、マスメディアも政府も、帰国者にフォーカスする意味がわかりません。
そういった報道のせいで「海外に行ったから感染したんだ」という勘違いが生まれてしまっては、批判の声が上がるのも当然です。
さらに自粛への意識も薄まります。
海外に出なければいい、遠出しなければいい、近所ならOKになってしまっては意味がないのではないでしょうか。
と、ここまでになります。
もし本記事を読んで、認識の誤り、事実の異なり、違う見方、などを発見した方は、ぜひご意見お伺いできれば幸いです。
自分も凝り固まりたくはないのです。よろしくお願いいたします。