いまを生きる現代の若者と芸大生。イノベーションの種は芸大にある気がする
現代の若者は悩みなんて無いのかもしれない。
そんなことをふと思った。
おれだって、現代の若者。
ニュースを眺めていれば、
「年金がもらえない」
「仕事が無くなる」
「銀行が危ない」
そんな話を良く見かける。
でもほかの現代の若者にとっては、そんなことはリアリティの無い話で、もしそうなったとしても、その時に考えればいいと思っているのかもしれない。
どうして「リアリティを感じない」のか。
それはきっと、「感じても意味が無いもの」だと思っているからだと思う。
口先では
「将来が不安」
とか
「先行きが暗い」
と言っておきながら、内心はそんなに思っていない。
結局、ニュースに煽られているのは、この自分だけなんじゃないかと思ってしまう。
つい先日、とある芸術大学に行った。
芸大というものを見ておきたかったから。
おれが芸大に興味を惹かれた理由は、芸大生を題材にした作品が世の中にはたくさんあるから。
なぜか、芸大生は変わったトラブルに巻き込まれやすいらしい。
それはあくまで映画やドラマの話だけれど。
それを踏まえると、総合大学に通った自分を少し後悔してしまう。
自分は絵がうまいわけでも、センスがあるわけでもないけれど、なにかにのめり込んで、自分の作品を追求せんとする熱意を味わってみたかった。
総合大学ではなにをしたか、ほとんど覚えていないから。
芸大生は「いまを生きているんじゃないか」と思ってしまった。
校舎の片隅にある失敗した作品捨て場、屋外階段踊り場の喫煙所、暗い廊下とたくさんの作業部屋。
違う校舎に行けば「3Dプリンター」や「レーザーカッター」があるという。
新しいなにかを生み出せそうな場所だと感じた。
0から1を作るために基礎から最新までの設備をそろえた場所、そして少しやさぐれた雰囲気。
そんな場所にバイトしながら作品作りに没頭する学生がいるのだから、イノベーションに必要なほとんどのものは揃っている。
お金だけ、なんとか工面すれば。
大学が無償化になれば、芸大に通ってみたいと思った。
現代の若者らしく、いまを生きてみたい。
ニュースに振り回され、不安になる自分を悔やんでしまう。